スタッフ
摂食嚥下口腔ケア委員会です。
今年は例年通り雪が降り寒くなりましたね。
年末年始は要注意、正月に欠かせない食べ物といえば「餅」ですね。
各家庭で餅をついて鏡餅を作る。
年末の恒例行事ですが、過去の思い出となっているのではないでしょうか。
つきたての餅や、焼きたての餅。砂糖や醤油、きな粉をまぶして・・・
など、きっと好みの食べ方があることでしょう。
雑煮や汁粉など餅を使った料理で、気を付けておきたいのが、餅を喉に詰まらせる事故です。
事故が起きる原因、防止策、対処法などをまとめましたので、
ぜひご一読ください。
<餅を喉に詰まらせる事故が起きる原因>
高齢者が餅を喉に詰まらせる原因は、噛む力や飲む力が弱くなり唾液の分量も減った事です。
さらに肺活量も落ちているため、詰まりかけた時の咳き込む力が弱くなっています。
その結果、粘り気の強い餅が喉に詰まってしまうのです。
<防止策>
1.餅はあらかじめ小さく切って、飲み込みやすい大きさにしましょう。
2.急いで飲み込まず、ゆっくりとよく噛み砕いてから飲み込むようにしましょう。
3.食事の時、茶や水を飲んで喉を湿らせてから食べるようにしましょう。
<もし詰まらせてしまった時の対処法>
1.意識がある場合
背部叩打法・・・・・手で顎を支え背中を叩く。
※背部叩打法は、年齢や性別に関係なく実施できます。
上腹部圧迫法(ハイムリック法)・・・後ろから手を回しグッと引き寄せるように持ち上げる。
側胸下部圧迫法・・・胸の外側やや下部分を圧迫する。
2.意識が無い場合
すぐに119番通報します。迷わず救急車を呼ぶ事が大切です。
通報する時は餅による窒息の緊急である事を伝えましょう。
<嚥下機能を高めるためのアドバイス>
普段から嚥下機能を高める事が大切です。
1.よく噛んで食べましょう。
2.リラックスして過ごしましょう。
3.口の体操やマッサージを行ってみましょう。
<口の体操>
①上の歯が見えるように口角を上げ、端から舌を出します。
②口角を上げたまま、舌をゆっくりと左右に動かします。3往復2回行います。
③顔のストレッチをするような感覚で視線は上方を見つめます。
④口から思い切り息を吐きながら舌を下方にしっかり出し、鼻から息を吸いながら舌を戻します。これを5回行います。
<マッサージ>
①耳下腺マッサージ
耳の横に4本の指をあて、ゆっくり円をかく。これを10回行います。
②顎下腺マッサージ
両手の親指を下顎骨の内側部分に当て、骨に沿って5ヵ所を順番に1~2秒押しましょう。
③舌下腺マッサージ
両手の親指で顎の真下をグッと上に押します。
餅を喉に詰まらせてしまったら、落ち着いた対応が重要になります。
一人で対応するのではなく、近くに人がいれば助けを求めましょう。